ブログ|神田駅・新日本橋駅で歯科をお探しの方は
神田駅前歯科クリニックまで

  • 03-3272-0707
  • メニュー

丈夫な歯にするには?

こんにちは。神田駅前歯科クリニックです。

丈夫な歯を作るためにはどのような食生活に気をつけたら良いでしょうか。歯はカルシウムで出来ているから、カルシウムを摂れば良いと考えがちですが、それだけではありません。

子供の歯の場合

乳歯は、お母さんのお腹の中にいる頃から歯の芽が出来始めています。お母さんは妊娠前から、カルシウムはもちろん、鉄やマグネシウムなどのミネラル類や、ビタミンAや葉酸など、妊娠に必要な栄養素をしっかり蓄えておくことが元気な赤ちゃんを産むためにも、赤ちゃんの将来の歯のためにも大切になります。

近年、「新型栄養失調」という言葉を耳にするようになりました。新型栄養失調とは、摂取カロリーは足りているのにタンパク質やビタミン、ミネラルといった特定の栄養素が不足している状態を指します。自己流の食事制限ダイエットや偏食、高齢者では、麺類やお茶漬けなどさっぱりしたものだけで食事を済ませたり、歯を失ったことで硬いものを避けるようになったりといったことから、栄養が不足してしまうことが背景にあるようです。

日本人に不足しがちな栄養素として、カルシウム、鉄、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンC、食物繊維などが挙げられます。実はこれ、ほとんどが健康な歯をつくるために必要な栄養素です。

・カルシウム  歯の原料となる。(牛乳、乳製品、大豆、大豆製品、干しひじき、小魚、桜エビなど)

・マグネシウム  カルシウムの吸収を助ける。(魚介類、海藻類、納豆、玄米など)

・ビタミンA  歯の表面のエナメル質をつくる。(レバー、卵、うなぎ、チーズ、緑黄色野菜など)

・ビタミンC  歯の象牙質を強くする。(ブロッコリー、ピーマン、苺、じゃがいもなど)

永久歯は、乳歯の下で乳幼児期に少しずつ出来始めます。その為、この時期にカルシウムが不足すると永久歯を弱くする原因となります。肉、魚、乳製品、大豆製品、野菜など、バランスのとれた食生活の中でカルシウムを摂ることがとても大切です。

カルシウムの吸収率は他のミネラルとのバランスが影響します。インスタント食品や加工品など、リンを多く含む食品と同時に摂取するとカルシウムの吸収が阻害されてしまいます。牛乳や乳製品は、カルシウムの吸収率がとても高く、1回の摂取量も多いので効率的でおすすめです。

この他、体内でのカルシウムの吸収率を高めるにはビタミンDが有効です。ビタミンDは腸管内でのカルシウムの吸収を助け、骨の形成や成長を促進させる働きがあります。サンマ、鮭、イワシなどの魚類や、椎茸やキクラゲなどのキノコ類に多く含まれています。

これらの食品は出生から永久歯が生え揃う12〜15歳くらいまででとても大切になるので日々の食事からしっかり摂りましょう。

では、永久歯が生えたら、どのような食事に気をつければ良いのでしょうか。

お口の中では脱灰と再石灰化が繰り返し起こっています。脱灰は酸などにより歯の表面からミネラルが溶け出ることです。再石灰化とは、脱灰により歯から溶け出たミネラルを元に戻す唾液の自然治癒のメカニズムのことです。この再石灰化よって唾液が歯の表面のエナメル質の結晶を新しく形成し、初期虫歯を元の健康な状態に戻してくれます。

歯の再石灰化に必要なミネラルは、リンやカルシウムです。これらは唾液中に含まれて歯の表面に運ばれます。

リンはインスタント食品や加工品、タンパク質の多い食べ物に多く、肉や魚、卵、乳製品などに多く含まれます。普通に生活している状態ではよほど不足しない栄養素です。

カルシウムは、前述したように、牛乳、乳製品に多く、これらは吸収率も高いのでおすすめです。日本人は外国と比べ、食生活においてカルシウムが不足しがちなので、日常生活で積極的に摂るよう心がけましょう。

日本人の1日のカルシウム推奨量は、成人男性で約800〜900mg、成人女性で約600〜700mgです。これを牛乳に換算すると、男性で1日にコップ4杯、女性でコップ3杯分は飲むようにしましょう。(コップ1杯200mlとして)

生えたばかりの永久歯はとても弱く、虫歯になりやすいため食事意外のことも注意が必要です。

・だらだら食べをしない

・よく噛んで食べる

・食べた後は歯を磨く

また、定期的にフッ素を塗るのも効果的です。フッ素の化合物が歯の表面をコーティングして、酸に対する抵抗力や歯のカルシウムが溶けるのを防いだりします。歯を強くするには、子供の頃の食生活がとても大事になってきます。

大人の歯の場合

大人の歯の場合は歯が完成しているので、どんなにカルシウムを含む食品を摂取しても歯に取り込まれることがありません。そのため、子供のような歯の成分を強化する効果はありません。ただしフッ素を塗布したりフッ素入りの食品を摂取することは有効です。フッ素入りの歯磨き粉を使ったり、歯科医院でフッ素を塗ったり、フッ素入りの食品(牛肉・リンゴ・海藻・緑茶)を摂取するようにしましょう。フッ素の膜で、歯の表面のカルシウムが溶け出すのを防止することができます。普段痛みや腫れなどの症状がなくても、定期的に歯科医院に行って歯石を取った後にフッ素を塗布してもらうことで、いつまでも歯を強くすることができます。