舌ケアの方法
こんにちは。神田駅前歯科クリニックです。
口腔ケアと言えば、多くの人が歯のブラッシングやフロスを思い浮かべますが、実は舌のケアも同様に重要です。特に「舌苔」と呼ばれる舌の表面の白っぽい膜に対するケアは、口腔衛生と全体的な健康に大きな影響を及ぼします。
舌苔とは何か?
舌苔は、主に食べ物の残りかす、細菌、死んだ細胞などが舌の表面に蓄積して形成される白または黄色っぽい層です。健康な状態でもある程度の舌苔は自然に存在しますが、過剰に蓄積すると問題を引き起こす可能性があります。
正常な舌苔と異常な舌苔の違いとは?
唾液が持つ自浄作用・抗菌作用によって、余計な舌苔は自然に浄化されます。
全体的に薄く白い舌苔がついているのは正常です。
しかし、注意が必要な場合があります。
白く厚さがある
胃腸が弱っていたり、風邪の引き始め、疲れたときや代謝が悪いときに現れます。
黒ずんでいる
体力が著しく落ちている、重い病気にかかっている可能性があります。服用している薬が影響していることもあります。
黄色っぽい
刺激物の過剰摂取や食べ過ぎによる胃腸の乱れによって黄色っぽい舌苔が現れます。口臭も強くなっているはずです。
また、風邪で高熱が出ているときにも現れます。
全く舌苔がついていない
栄養不足、貧血、身体の抵抗力が低下し、全身が衰弱している可能性があります。
舌苔(ぜったい)がつきやすい人/つきやすいところ
舌苔は抗生物質の長期服用後や全身疾患の部分症状として見られることもありますが、健康な場合でも口のなかが不潔だと舌苔がつきます。
口が乾燥している人は舌苔が増えやすいです。
こんな人はつきやすい!
- 間食することが多い
- 食後に歯みがきしない
- 寝る前の歯みがきさぼり気味
→口が不潔になりやすく舌苔がつきやすくなります
- 口で呼吸している
- 口を開けていることが多い
→口が乾燥する為、舌苔がつきやすくなります
- 過度なストレスが続く
- 会話等が多い
→唾液の出が少なくなることにより口が乾燥する為、舌苔がつきやすくなります - 舌の運動が活発でない
→動きが不十分だと舌苔がつきやすくなります。
こんなところはつきやすい!
舌の中央から後方にかけての奥の部分に舌苔がつきやすいです。
舌の付け根に近い奥の部分は唾液で洗い流されない、あるいは舌の運動時に上あごとこすれることが少ないなどで、細菌の増殖にとっては好都合となります。
こうしたことから、多くの場合、舌苔は舌の後方部からつきはじめ、時間が経つにつれて奥から前のほうに増えてくると考えられています。
舌苔がついているかどうかは、舌を前に出して舌の奥の部分を確認しましょう
舌苔が引き起こす問題
1. 口臭の原因
舌苔は口臭の主要な原因の一つです。舌の表面に蓄積した細菌は、不快な臭いを放つ化合物を生産します。
2. 味覚の低下
舌に蓄積された舌苔は、味蕾を覆い隠し、食事の味を感じにくくすることがあります。
3. 口腔内の細菌増加
過剰な舌苔は、口腔内の細菌が繁殖する場所となり得ます。これは、虫歯や歯周病のリスクを高める可能性があります。
舌のケア方法
1.舌みがきは1日1回が目安。
1日に何度も舌をこすると舌の粘膜を傷つけてしまうこともあるので、舌みがきは1日1回を目安に、舌の汚れが気になるときに行って下さい。朝は舌苔の付着量が多いので、舌みがきは朝の歯みがき時に行うのがおすすめです。
2.舌ブラシやハブラシを使う
舌みがきに使うブラシは、専用の舌ブラシや普段、歯みがきで使っているハブラシを使いましょう。舌専用のクリーニングジェルを合わせて使うと良いでしょう。
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※2 通販限定販売品は、「取扱店舗を探す」ではご案内しておりませんのでご了承ください。
3.鏡を見ながら行う
舌苔がついている部分にブラシがきちんとあたるよう、舌みがきは鏡を見ながら行いましょう。舌苔のついていないところは掃除をする必要はありません。
4.ブラシを動かす方向は「舌の奥から手前」
ブラシを舌の「奥から手前」に動かします。ブラシを手前から奥に動かしたり、前後に往復させたりするのはやめましょう。舌苔中の細菌をのどの奥へ送り込んでしまう危険があります。
5.強い力でみがかない
舌はとてもデリケートな組織です。舌の粘膜や味を感じる味蕾(みらい)を傷つけないよう、軽い力で行いましょう。
6.嘔吐反射を防ぐには舌は思いっきり前に出す
ブラシなどを口の奥に入れると「おえっ」となることがあります。これを「嘔吐反射(おうとはんしゃ)」と言いますが、この嘔吐反射を防ぐには、舌を思いっきり前に出すのがコツです。
7.無理にキレイにしない
これまであまり舌みがきをする習慣がなかった場合は、舌苔が厚くたまっていて、1回の掃除では舌苔がなかなか落ちないこともあります。毎日舌みがきをすることで、だんだん落ちやすくなっていきます。舌を傷つけないためにも無理は禁物です。
舌の健康を守るための総合的なアプローチ
舌のケアは、口腔内の健康を保つための総合的なアプローチの一部です。以下の点も考慮することで、より効果的な舌ケアが実現できます。
1. 禁煙とアルコールの制限
喫煙や過度のアルコール消費は、口腔内の環境を悪化させ、舌の健康に悪影響を及ぼします。これらの習慣を控えることは、舌の健康を保つために重要です。
2. ストレス管理
ストレスは、口腔内の健康にも影響を及ぼすことが知られています。ストレスを適切に管理することで、舌苔の形成を抑制し、口腔内環境を改善することができます。
3. 総合的な口腔衛生
歯磨き、フロス、口腔洗浄液の使用に加えて、舌のケアを日々の口腔衛生のルーチンに組み込むことが大切です。これにより、口腔内の細菌のバランスを保ち、全体的な健康を促進します。
舌ケアと全身健康の関係
舌の健康は、単に口腔内の問題に限らず、全身の健康にも密接に関連しています。例えば、舌の異常は消化器系の問題や免疫系の不調を示唆することもあります。したがって、舌の健康に注意を払うことは、全体的な健康状態のバロメーターとなることができます。
舌ケアの習慣化
舌のケアを日々のルーチンに組み込むことは、初めは難しく感じるかもしれませんが、時間と共に自然な習慣となります。毎日のブラッシングやフロスの後に舌のケアを行うことで、口腔衛生の習慣を強化し、健康な生活をサポートすることができます。
まとめ
舌のケアは、口腔衛生の重要な部分であり、全身の健康と密接に関連しています。日々のケアを通じて舌苔をコントロールし、健康的な食生活と生活習慣を心がけることで、舌の健康を保つことができます。また、定期的な歯科検診は、舌の健康を維持するためにも欠かせない要素です。舌のケアを日常生活に取り入れることで、口腔内だけでなく全身の健康を向上させることができます。