むし歯予防のために
こんにちは!神田駅前歯科クリニックです。
今回のお話は、「フッ化物」についてお伝えしていきます。
「フッ化物塗布」とは歯に直接フッ化物を作用させる方法で、
綿球で塗ったり歯ブラシで塗ったりする歯科医師や歯科衛生士など専門家が行う方法です。
フッ化物は、むし歯予防として大きく3つ効果があります。
1.歯を丈夫にする
エナメル質の結晶を強くし、むし歯になりにくくします。
2.初期むし歯の進行を抑える
むし歯になりかかった歯の表面を修復し、進行を抑えます。
3.細菌の活動を抑制する
むし歯菌が歯を溶かす活動を抑えます。
特にむし歯になりやすい「生えたての乳歯」や「生えたての永久歯」を持つ子どもたちにむけて、フッ素を塗布して予防するフッ化物歯面塗布法を多くの歯科医院で実施しています。
実は大人にもフッ素は重要
大人になると、不規則な生活や、歯科治療などにより2次むし歯(治療済の歯が再度むし歯になる)になりやすく、むし歯リスクが上昇することがあります。また年齢が進むにつれ、歯周病によって歯茎が下がってしまい、セメント質とよばれる表面が弱い部分が露出し、むし歯になりやすくなります。
歯科研究では、フッ素配合ハミガキ剤を使うと歯の根元のむし歯を67%も抑制可能という結果も存在します。
フッ素ケアは大人にも非常に大切なケア方法なのです。
フッ素は身近にある成分
ほとんどの食品に含まれるミネラル成分の一つ
フッ素は、魚介類や野菜、肉、牛乳、塩、お茶の葉っぱなど、ほとんどの食品に含まれており、他にも自然界の中でも、海水、河川水、地中にも含まれ、食物や人の体にも含まれています。ビタミン類の様に、毎日摂らなければならない必須の栄養素に位置付けられています。
ただ、フッ素は単体ではなくナトリウムと結びついた「フッ化ナトリウム」、カルシウムと結びついた「フッ化カルシウム」など必ずほかの物質と結びついて存在しています。毎日の食事で意識して、フッ素が含まれる食品を摂るようにしましょう。
しかし、通常植物から摂る量では、むし歯予防には足りません。
フッ化物の応用
フッ化物入り歯みがき剤
歯をみがくときはフッ化物入り歯みがき剤を使いましょう。
口の中にフッ素を長い時間留めておくことが重要です。
歯磨き前に歯ブラシを水で濡らさないことや、歯磨き後のすすぎを少量の水で1回にして、1〜2時間は飲食を控えることで効果が高まります。
フッ素入り歯磨き粉 ーフッ素濃度ー
フッ素濃度は歯磨き粉によって違います。子どもや赤ちゃんには年齢に応じた濃度があります。 フッ素濃度は「ppm」という数値によって表せます。購入時に確認しましょう。
生後6か月〜2歳 500ppm以下
6歳未満の子ども 1000ppm以下
成人 1000〜1500ppm以下
むし歯予防は、フッ素入り歯磨き粉を使うだけでは防げません。
正しいブラッシング、定期検診などのケアと合わせてむし歯のない歯を目指しましょう。