被せ物が外れやすい原因
こんにちは。神田駅前歯科クリニックです。
小さな虫歯を削った後には、穴をふさぐために詰め物を入れます。
こちらはインレーとも呼ばれ、樹脂を詰めて硬化させる方法や、金属やセメントで詰め物を作成し、歯に接着する方法などがあります。
しかし、場合によっては詰め物が取れやすくなってしまうことがあります。
今回は、こちらの主な原因について解説します。
●経年劣化
詰め物がすぐに取れてしまうという場合、詰め物自体が経年劣化している可能性があります。
具体的には、詰め物と歯を合着しているセメント部分が劣化し、食事などの刺激によって取れてしまうというケースです。
詰め物に使用されるセメントには、実は問題なく使える寿命というものが存在します。
こちらは、唾液によって少しずつ溶けていく性質があり、歯に詰めてから10年程度経過すると、当初よりもかなり接着力が低下し、簡単に外れるようになってしまいます。
●噛み合わせの変化
詰め物を入れた当初は、ピッタリとハマっていた場合でも、時が経つにつれて少しずつ高さを感じるようになったり、凸凹があるように感じるようになったりすることがあります。
こちらは、噛み合わせが変化していることが理由です。
また、噛み合わせが変化すると、歯全体にかかる力のバランスが崩れ、ある一点に集中して力が加わってしまうこともあります。
このような場合、詰め物は外れやすくなります。
ちなみに、噛み合わせが悪く、詰め物に強い力が加わり続けることにより、短期間で摩耗しやすくなりますし、歯が削れてしまうなど、土台にも悪影響を及ぼすことも考えられます。
●詰め物の下に虫歯ができている
詰め物は、歯に対してしっかりと接着されていますが、稀に詰め物と歯の間から虫歯菌が入り込み、詰め物の下が虫歯になっているケースがあります。
こちらは二次虫歯と呼ばれるものであり、このとき詰め物の接着部分である歯が虫歯菌の酸に溶かされることにより、安定感を失い、取れてしまうことがあります。
ちなみに、このようなケースは、詰め物と歯の間に隙間があったことだけでなく、そもそも詰め物の精度が良くなかったという原因でも発生します。
●歯ぎしり
歯の激しいすり合わせによって強い力がかかり、詰め物や被せ物が外れてしまうケースです。就寝時の歯ぎしりは無意識下で起こるため、やめたくてもやめることが出来ません。そのため就寝中にマウスピースを付けて歯ぎしりによる力を緩和することが効果的です。
歯ぎしりは歯が強い力で揺すられますので、詰め物や被せ物が取れたり破損したりするだけではなく歯全体のバランスを崩す要因になりかねませんのでご注意ください。
外れたままにしておくのはNG!
詰め物・被せ物が外れたまま放置しておく最大のリスクは、虫歯にかかりやすくなることです。たとえば、詰め物が外れると、歯の内部の「象牙質」という組織が露出します。象牙質は軟らかくて弱い層であることに加え、詰め物が外れた箇所には食べカス・汚れが溜まりやすくなるため、非常に虫歯にかかりやすい状態になります。
長期的には、噛み合わせへの影響も考えなければいけません。詰め物・被せ物が外れると隙間ができますが、そうなると、その隙間を埋めようと隣の歯や噛み合う歯が移動してきます。周囲の歯が動くことによって徐々に噛み合わせが変化し、その結果、自分の歯がすり減ったり、浮き上がったりしてしまいます。
詰め物・被せ物が取れた時にしてはいけないこと
1.詰め物・被せ物を自分の手で歯に戻さない
詰め物・被せ物が取れた時に、自分ですぐ歯に戻したら大丈夫かも?と思う方が多いのですが、無理に戻すと詰め物・被せ物が変形したり、歯が割れることがあります。またすぐに外れて誤飲すると危険ですので、自分で戻さずに必ず歯医者を受診しましょう。
2.取れた詰め物・被せ物を接着剤で自分でつけない
外れた詰め物・被せ物をアロンアルファのような接着剤で歯につける方がおられますが、接着剤は歯科用のものでないと厚みが出て、歯にきれいに接着することが出来ません。そのため詰め物・被せ物が取れた場合は、自分で接着せず、歯科を受診しましょう。
詰め物・被せ物が外れたらお早めに歯医者さんへ!
たとえ生活に支障がなくても、詰め物・被せ物が外れたらできるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。土台の歯に問題がなければ、そのまま着け直す(再着する)ことができるケースもありますので、取れてしまった物を持って早めに歯医者さんに行くことが大切です。もし、保証が付いていて保証の期間内なら、装着した医院に行ったほうがいいでしょう。保証などがなければ、装着した医院でなくても、お近くの歯医者さんで良いかと思います。