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甘いものと歯の関係

こんにちは。神田駅前歯科クリニックです。

むし歯や歯周病、生活習慣病との気になる関係

甘いものを摂り過ぎるとむし歯になりやすいのは、どなたもご存じのことでしょう。

ケーキやチョコレート、アメやガム…。子どもも大人も大好きな物が多いですよね。

それらの物には、砂糖が多く含まれています。砂糖は、歯の汚れである「歯垢(しこう)」をつくる1番の原因になります。歯垢とは、「バイオフィルム」とも、いわれ、のりのようにねばつきがあり、歯の表面にこびりつく細菌の塊です。このバイオフィルムの中で細菌が砂糖を分解して酸をつくり、歯を溶かして虫歯となってしまうのです。そのため、甘いものを、頻繁に取る人は歯が悪くなりやすいのです。

しかし、口の中には虫歯を防ぐために助けてくれる強い味方がいます!それは唾液です。唾液は、酸を中和する働きがあるのです。

食事や甘いものを食べるたびに、口の中は酸性に傾き、歯の表面が溶け始めます。それを治しているのが唾液です。唾液は酸を中和させる働きがあるからです。しかし、食べる頻度や量が多くなると、唾液の酸を中和させる力が追いつかなくなり、歯の表面からミネラルが奪われて虫歯へと進んでしまいます。

つまり、虫歯にならないためには、食事や間食の回数を減らす(お口の中が酸性の状態であることを減らす)必要があります。決められた時間に、規則正しく、バランスよく食べることが大切ということですね。

甘いものや糖質の多い食事の摂り過ぎはむし歯や歯周病、生活習慣病の原因に

最近、さまざまな研究により糖尿病と歯周病が密接に関係していることが明らかにされています。
日本歯周病学会が2014年に発行した『糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン』では、糖尿病の患者さんは歯周病になりやすく、また歯周病の患者さんは糖尿病になりやすいと指摘されています。

実は、糖尿病や歯周病を予防するうえで摂り過ぎに注意すべきなのは、お菓子やジュースなどの甘いものに限りません。
ごはんやパンなどの糖質(炭水化物から食物せんいを除いたもの)は消化吸収されてぶどう糖(グルコース)となり、エネルギー源になる大事な栄養素です。しかし、摂り過ぎると糖化(グリケーション)と呼ばれる反応を起こして全身の血管や細胞を傷つけます。
つまり、糖は功罪相半ばする「両刃の剣」なのです。このため、私たちのからだには血液中の糖の値(血糖値)を適正にコントロールするしくみが備わっています。
糖尿病は、糖を栄養素として細胞に取り込むインスリンのはたらきや効きが弱くなり、本来使われるべき糖が使われず、血液中にあふれかえった状態と考えればよいでしょう。

こうして血糖値が高い状態(高血糖状態)を放置してしまうと血管や細胞が傷つき、炎症を起こして網膜症や神経障害、腎臓病、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、認知症などさまざまな合併症の原因になると考えられています。
近年、糖尿病の新たな合併症として注目されるのがと歯周病です。歯周病もまた、甘いものや糖質の摂り過ぎによる高血糖状態が歯肉の血管を傷つけて起こる糖尿病の合併症の1つといえます

甘いものは片手に乗るぐらいの量に抑え、バランスの取れた食生活を!

甘いものはつい食べ過ぎてしまいがちです。
市販のケーキやファーストフードなどには、おいしさを高めるために糖分だけでなく脂質が多く含まれています。ひと口食べると、もっともっと欲しくなるのはこのためです。こうしてついつい病み付きになって食べ過ぎ、健康へのリスクが増えることが懸念されます。
甘いものは適度に楽しみ、けっして摂り過ぎないと決める必要があります。
WHO(世界保健機構)は、糖の摂取量を1日の摂取カロリーの10%以内、できれば5%以内にとどめることが生活習慣病の予防につながると提案しています。
目安としては、お菓子やジュースなど甘いものは1日1回片手にのるぐらいに制限することが勧められています。
意外な落とし穴は、手づくりの家庭料理でもおいしく食べられ、保存がきくように砂糖やみりんなどで甘く味つけすることが多いことです。「食事だから」と油断すると糖の摂り過ぎにつながることもあることを、頭の片隅に置いておいてください。
1日3度の食事で主食のごはんやパンなどの糖質を控えめにし、主菜、副菜をバランスよく食べ、甘いものは少しで満足できるように舌をならしていくとよいでしょう。
こうした食生活を送ることが、むし歯や歯肉炎、歯周病、生活習慣病を予防するうえでとても大切な心がけといえます。